この秋はぎゃはぎゃは

土曜から下痢、貧血、と続いて、昨日から風邪をひいて寝ている。夕方ちょっと起き上がってお花とトマトの世話をして、私にもインドカレーを頼んだ。

デリバリーは3000円以上とのことなので、今夜はひとりベッドでインドカレー祭り。

NYでも、東京でも、風邪をひいたらインドカレーのデリバリー。世界中でお世話になってきたせいか、電話口でインドの方の声を聞いただけで、もう風邪が治っていくような気持ちになるのでありがたい。そしてとってもおいしい。オクラを使ったあまり汁気のないやつが自分好みというのをNYで覚えて、その後どこに行ってもそれを探しては注文しているが、今日は秋らしく、そのなすバージョンを注文した。やっぱりおいしい♡

インドカレーのおかげで少し元気が出たので、秋の歌を集めていろいろ譜面書きをしたり、Youtubeをごそごそしたりしていたら、なんと、Sanford and Son で Redd Foxx が秋のスタンダード、'Tis Autumn を歌っている動画があるでは。


 

Sanford and Son という70年代のTVコメディ、アメリカで見せられて覚えたのですが、妻を亡くした口の悪いがんこおやじ Fred(Redd Foxx)が、キャラの薄いイケメン息子 Lamont(ひげを取れば昔好きだった人に似ている)と二人で中古家具屋をやっていて、親戚や隣人がやってきては何やら楽しいことになる、というそんな筋書き。日本で言うところの、寺内貫太郎一家みたいなかんじだろうか。見たことないけど。このお父ちゃんが日本人だったらきっと、今日みたいな晴天の日は昼間から縁側で足の爪を切って、飛んでった親指の爪を、ちょうど縁側を通ってキッチンにコーヒーを淹れにいこうとする Lamont がはだしで踏んづけて「Ouch!」となっていることだろう。ちなみにこの番組の音楽は Quincy Jones が担当している。寺内貫太郎だって小林亜星ですものね。

 

これを見ていて思ったけれど、私もっと自分のライブでお客さんがぎゃはぎゃは笑っちゃうようなことがしたいんだなあ、本当は。少なくともにやにや。

トークが楽しい、とかじゃなくて、音楽の中で。

たとえばNYでライブに行ってブルースを聴いてるときの、1、2コーラス目あたりは、それこそお話の起と承、ふむふむとなってきた3コーラス目あたりに大きなオチが待ってて、そこでみんな腹を抱えて大笑い、ヒューヒュー野次も飛ぶ、というあの雰囲気が大好きだ。オチの内容は大抵すこぶるきわどくて、それなりに日々品行方正に暮らそうと頑張っている我々は一瞬息が止まるが、1秒後くらいには誰からともなく腹を抱えて笑い出して、そのタイミングでバンドがぐいぐい盛り上がっていって皆たまらずイェイイェイなっちゃう、あのかんじ。それやるには、まず第一の条件として、音楽的に超一流のレベルであるところも好き。じゃないと恐ろしいほど全てが笑えない。

 

こんなことを書いていたらきわどく笑いたくなってきたので、病人らしく、ベッドで Chris Rock の Youtube をひたすら見て久しぶりに気持ちよく笑った。日本社会ではついつい空気読んでぶりっ子して保身してしまうので、やっといい息抜きができた。たまには風邪もいいもんだなー♡

そしてふと、久しぶりに一人暮らしをして一年ほどになるが、足りないのは家で誰かとぎゃはぎゃは笑うことだと気付いてしまった。

 

しんみり隠しに、'Tis Autumn、ナット・キング・コールのトリオのバージョンを。

私の今月のビブリオでのライブも、秋ですし、この曲のタイトルを拝借して「'Tis Autumn!」と題したのですが、よくチラシを見てみたら、「This Autumn!」になっていました。ちゃんと事前に内容確認させてくださったのに、よく見ずバッチリです!と言い放ってごめんなさい、ビブリオ様。。。

でも「この秋!」それもまたよし。この秋、何が待っているかしら。ラリラ〜リラリラ〜♪