日曜日、ファルコンとデュオで演奏してきました!@台湾フェス in 錦糸公園!!!
太陽テッカテカの中、時折涼しい風も吹いて、絶好の野外イベント日和。
客席の方はちょっと暑そうだったけど、、、
ステージ上はとっても気持ちがよく、音響も素晴らしく(PAの方、ありがとうございました!)ストレスゼロでのびのびと歌うことができました。「台湾麺線」と書いてあるテントとそこに群がる人々を眺めながら!
しかも、ライブ終了後、友達が麺線おごってくれた(涙)久々の大腸が美味しかった。。ありがとうのりちゃん〜!
自分のライブでは台湾の歌、ちょこちょこ歌っていますが、
台湾関連のイベントで歌うというのははじめて。
いつもはどちらかといえば、たぶん客席のほとんど誰も聞いたことないだろう台湾の音楽を紹介しようという気持ちも込めて歌っているのですが、
このイベントでは紹介ご無用、どんどん客席が盛り上がっていってくれてるのがわかって、とても嬉しかった!
テレサ・テンの『路邊的野花不要採』も若いカップルが爆笑しながら聴いてくれたし(一緒に口ずさんでいた人も)、
アミ族の曲『石頭歌』もみんなノリノリで歌ってくれたし、子どももポヨポヨ踊ってくれたし、やっぱりお祭り楽しいなー (^^)/
とてもアットホームな温かみのあるフェスで、撮っていただいた写真の中の自分がとてもリラックスしているし、いい時間だったんだなーと改めて思いました。
衣装、当日朝まで迷ったけど、上下青のタイヤル服にして正解だったかも。
野外だし、着替える場所とか面倒かな、と思って家からこれ着て行っちゃったけど、意外と普通♪
青は伝統的なタイヤルの織物の色使いにはない色ですが、
私たちのすぐ後に登場した台湾・宜蘭から来日してたタイヤルのみなさんが、トラディショナルな赤白黒ベースの色合わせの衣装で、演奏も伝統を意識したものだったので、ちょうどいい対比になったかな?と思います。
ファルコンもタイヤルハチマキ気に入った模様。(実際よく似合っていた)
タイヤル族とゆるキャラ。
とまあ、自分たちの話はさておき。。。
台湾フェス、皆さんいろんな思いを持っていらっしゃるんだなあとしみじみしました。
ぱっと見て、とても上品な日本人の年配の女性、という雰囲気の方と少し話をしたのですが、
台湾で生まれて台湾に育って、日本に来てもう50年以上経ってしまって、
と、その方は少し笑いながら、
美しい発音の中国語で話してくれて、
そして整理されたかばんの中から、束になった白黒の写真を出して見せてくれた。
「これが私の母、これが姉、私はこっち、、、これは息子ね、」
写真の中の公園は、木に囲まれ、池があって、丸い橋がかかって、台湾のどこかで見たことがあるような景色。
写真の裏には、どこどこで撮った写真とメモ書きがある。
母は鼻がすっと高い美人で、でも私は父に似たから、、
と言いながら、写真館で撮影した風の、若くて美しい女性が一人で写っている写真をまた束の中から取り出し、私や台湾から来たタイヤル族の面々に見せてくれる。
「你媽媽好漂亮喔」
私たちは口々に言う。本当に美しいお母さんで、少し斜めになった横顔の、綺麗な写真。
私の母や叔母や祖母も、こんな白黒の写真をとても大事にしていた。
私が生まれるずっと前の、私の知らない昔の台湾と、若かった頃の母や叔母や祖母、みんなが若かった頃が閉じ込められた写真。
「今日はとても気持ちがいいの。こうやって台湾の人や台湾のものに囲まれていると、心が落ち着いてね」
その人が話すのを聞きながら、私こそ心がなぐさめられていた。
この人について、私は今見た数枚の写真のことしか知らないし、この先これ以上知る機会もおそらくないだろう。
イベントが終わって、外も涼しくなって、ステージや客席の椅子やゆるキャラの置物たちがどんどん片付けられていき、
公園を出て錦糸町の駅の方へとその人が一人で帰っていくのを見かけたけど、なんとなく声をかけなかった。
でもこの人のことは、きっとしばらく忘れないなと思った。
白黒の写真の中の台湾の風景、白黒の写真の中の若い祖母、若い叔母たち、子どものような母、
私が故郷を思う時、故郷というのは、もしかしたら私の知らないことばかりだ。
母たちのおしゃべりや少しの写真を手がかりに、私の想像力は、母や叔母やいろんな人たちが故郷を懐かしむ気持ちを吸い上げながら、私の故郷を作っていく。私の故郷は、今母や親戚たちが住んでいる、航空券とパスポートさえあればいつでも行ける台湾と、その台湾とは少し違う、私の想像の中の「台湾」、この二つの重なる場所だ。
それならば、私に写真を見せてくれたあの上品な女性も、私の故郷の一部なんだろうな。