The Good Life

たまには夜更新。メリークリスマス。

私のクリスマスディナーは蒸したじゃがいも。ゆで卵。ツナ。オリーブオイル。塩コショウ。赤ワイン。

あーよく休みました。

 

一人でとる質素な食事がどんどん好きになって、いつもおいしいもの食べたいという気持ちがあんまりなくなってきた。「おいしいものばっかり食べてるといやになってくるじゃないですか」と適当なラーメン食べながら誰かが言っていて、確かにそうだな、と思ったことがあった。

 

不思議なもので、パソコンの前に座って何か書こうと思うと、ここではない場所のことをよく考える。普段生活していてニューヨークのことなんてほぼ全く考えないのに、数日前に昔の写真引っ張り出してきたからか、ニューヨークの地下鉄車内に張られていて好きだった詩を思い出した。当時(今もかな?)NY市交通局 MTA が Poetry In Motion という企画をしていて、車内に詩とその詩に添えられた絵の小ぶりなポスターが張られていた。英語もネイティブではないし、当時の私がその詩から何を受け取っていたのか自分でもよくわからないけど、Tracy K. Smith という私より5つくらい上の詩人が書いた The Good Life というその作品が私はとても好きで、地下鉄に乗って、たまたま空いた端っこの席に座って真横にその詩があるととてもうれしく、何度も頭の中で繰り返し読んで味わおうとした。添えられた絵はどことなく素朴な感じで、芝生の上に生えた豊かに葉をつけた木が左側に、その右側には煉瓦造りのアパートがあって、緑色のドアの玄関前の階段には女性同士のようにも見える黒人と白人のカップルが並んで腰かけ、気持ちよさそうに寄り添っていた。

 

 

The Good Life

 

When some people talk about money

They speak as if it were a mysterious lover

Who went out to buy milk and never

Came back, and it makes me nostalgic

For the years I lived on coffee and bread,

Hungry all the time, walking to work on payday

Like a woman journeying for water

From a a village without a well, then living

One or two nights like everyone else

On roast chicken and red wine.

 

Tracy K. Smith

 

 

 

私はこの詩を手帳に書き写して、自分の部屋に帰ると何度も読んだ。なぜだかわからないけどとても心が温まって、時々手帳のそのページを開いては声に出して何度も読んだ。久しぶりに今また読んでみたよ。

クリスマスプレゼントの代わりにみなさんにも。ローストチキンはないし、ワインも飲んじゃったけどね。