みーちゃん

朝に雨が降ったのか、地面が濡れていて、向こうからシャーと海の音が聴こえる。今日も明日も夜が遅くなりそうなライブなので、少し今朝はゆっくり起きた。当たり前のことだけど、天気は毎日違うので毎日感動があって、朝ゴミを出しに外に出るのが楽しみになった。こういう楽しみが東京にいる時は全くわからなかった。ゴミ出しなんて面倒でしかなかったし。鼻に入る空気の水分の含んだ感じを味わっていると、遠く上の空をとんびが一羽、ゆっくり羽ばたきもせず通り過ぎていく。

今日は曇り。雲の少しの灰色の濃淡がベランダの窓いっぱい横にのびてきれい。曇りは曇りでいいものだな。晴れた日にこういう空を見ることはできない。雲の奥に光があるのがわかる。私の部屋の白い床が雲の向こうの太陽の遠い光を反射している。

 

昨日は成城学園前のクオバディスというカフェ&ギャラリーに、小池アミイゴさんの花の絵を見に出かけた。本を読みたかったのに本を持たずに電車に乗ってしまったので、人のブログを読んだり、寝たり。私の身体が高速で平行移動し、私は寝ていると思っている。どういうことなんだろう、と思いながら、自分の乗っている電車の車両を空想の中で取っぱらって、自分の身体が空中を東に向かう突風に乗りすっ飛んでってる様を思い浮かべてみたりする。

 

ギャラリーでは詩人の平岡淳子さんがみんなに飲み物や食べ物を出してくれて、白い壁に飾られたアミイゴさんのコスモスや長い名前のデイジーや他にもたくさんの花が、座って話すNAOKOさんの後ろに並んで、それを眺めてるだけでとてもいい気持ちになった。音楽ではできない素敵なこと。先に着いていたNAOKOさんと聖華さんは二人とも白っぽい暖かそうな服を着て座っていた。冬もいいものかもしれない。NAOKOさんが首に巻いてたマフラーのようなもの、花のようにきれいだった。淳子さんにCLIPという詩集をいただいた。2ヶ月に一度、自分のパソコンで作って印刷して出して、第102号。TAKE FREEと書いてクオバディスの本棚に並べていて、ああ私もそれくらいのことができるようになりたい。103号の出た頃またここに遊びに来てみたいな。

 

10年前いとこの心蕊が撮ったみーちゃんの手。10年前、心蕊は二十歳で、私は30で、母は50代で、みーちゃんがいた。

 

お隣さんのベランダから子どもたちの歓声が聴こえて、私の窓辺にもふわふわシャボン玉が飛んできた。

 

そろそろ支度して今日も成城へ。夕方からブールマンで志宏さん、ファルコン、卓ちゃんとライブ。私歌わなくてもいいじゃんと思うけど、歌っちゃうと楽しいからなあ。お会いできる方はまた今夜。そうでない方はまたいつか。今日もどうぞ暖かくして過ごしてね。