謹賀新年

あけましておめでとうございます。

年末年始のドタバタ終わってやっと一息。

昨年も本当にたくさんの方々にお世話になり、去年も一年最後の日まで無事歌って過ごすことができ、お正月も元旦からたくさんの素敵な方と一緒に歌って過ごすことができ、とってもありがたいことです。どうぞ今年もよろしくね。

写真は天王洲のOTTAVAスタジオの中の注連飾り。私もいつか自分で作ってみたいな。

 

年末年始を堪能しすぎて今日までブログUPできずにいたので、この数日間を振り返りながら再開しようと思います。

 

2019/12/31

前日12/30は成城Cafe Beulmansにて伊藤志宏4DAYS最終日。みなさまどうもありがとうございました。みんなと一緒でとっても楽しくて、馬鹿みたいになって歌って、楽しかった。志宏さん本当にありがとう。ファルコンも卓ちゃんも。吉岡さんやあらがきさん、お店のみなさんありがとう。2019年もお世話になりました。2020年もよい年になりますように、みなさんの健康と幸せを心から願っています。特に志宏さんね。今年もどうぞよろしくね。

このライブのメンバーはお酒の席で知り合ったようなもので、はじめてみんなで演奏できた。はじめてみんなで飲んだ時は、志宏さんが派手にこぼした焼酎を私が体で受け止めた記憶があり、お湯割りだったのかあたたかくて、店員さんが優しく持ってきてくださったおしぼりもあたたかくて、自分の中ではあたたかな記憶になっている。

 

打ち上げの後、ぽかぽかした大晦日の朝の東京の住宅街を駐車場まで歩いた。

駐車場の場所がわからなくなって、どこに停めたっけと地図を見ようと立ち止まったら、横のお家の生垣のピンク色のさざんかの花が一つ、ぴょろっと道の方に飛び出して咲いているのが目に入った。一際きれいに咲いていたので思わずじろじろ眺めると、垣根の向こうは、ああこんなに美しい垣根を長年保ってきてる人たちというのはやっぱりこんな美しい家に住むんだ、というような、ため息が漏れそうに美しい古い木造の平屋のお家だった。

正面側の生垣は丸竹を四角に組んだ背の低い四つ目垣になっていて、その四角の合間から大小さまざまいろんな種類の植木が、その向こうには白壁、模様のように組まれた木材、黒っぽい瓦の切り妻屋根が見えて、入り口には松の木。玄関までの敷石とその周りに生えた草からはこの家の時間まで感じられそうだった。誰かがお掃除している音が聞こえ、表札の名前から察するに奥さんだろうか、植木の間から手桶に水を張って玄関周りを掃除している女性がちらちら見えて、何か大ぶりの生花のようなものと、まだ置き場所の決まってなさそうなシクラメンの鉢植えがぽんと置かれていた。

誰かの生活で長年大事にされてきた美意識というのはこんな姿と形になって私の心を動かすんだ、と感動しながらそのお家を通り過ぎて歩き、空は青々と、お正月らしくしーんとした空気で、また別のお家の横に停められた車のバックドアが上がってきらきらと太陽を反射し、ベージュ色のハイネックのセーター姿の、これもまた奥さんという風情の女性がトランクに上半身を突っ込むように、何かいいお土産でも入っていそうなたくさんのきれいな紙袋を並べて整頓していて、同じのお家の玄関から、この女の人の娘のような、きれいにお化粧して髪もきれいに整えて可愛いコートを着た20歳くらいの女の子が、そのおめかし具合とひどく対照的なふてくされた顔でゆっくり歩いて出てきて、一瞬私と目が合った。記憶の中のお正月が出てきたのかと思った。東京の住宅街とお正月とが私の記憶の中でこんなにもひとつになっていたなんて、このつまんなさそうな顔した女の子と、家の仕事をする女性たち、庭、青空、さざんか、シクラメン、静けさ、そういうのが全部合わさって大晦日の朝に私の目の前に次々出てくるまで気がつきもしなかった。そういえば私と父母が最後に一緒に住んでいたのはここからそう遠くないところだった。父は東京にどんな感慨を持って暮らしていたんだろうとふと思った。

 

午後には湘南新宿ラインで新宿へ向かい、一年の終わりに東海道線のボックス席に座って、のんびりまた東京へ向かった。朝車で帰ってきたルートをほとんどなぞるように、うとうとと。目が覚めるたび、北の窓の向こうに見える山々が夕日で輝いてきれいだった。

夜は新高円寺STAX FREDで増子周作くん、蝦名マストシくんと。9月のニセコでの共演以来になるマストシくんは、爆弾低気圧というすごい名前の猛吹雪の中はるばる札幌から来てくれていた。東京もものすごい風だったらしいが感じなかった。朝はあんなにぽかぽかしていたのに。

中村さんが用意してくださったおいしいお酒、マグロとホタテのお刺身、手作りのあん肝を本番前にいただきながら4人で色々話してとてもありがたい時間だった。ライブ後はお客さんも一緒にみんなでのんびりお酒を飲んだりして、12時が近くなると近所の西方寺というお寺まで歩いて鐘をつきに行った。いい名前のお寺。またSTAXに戻って、結局朝方まで、うとうとしたりしながら和やかに過ごした。

 

2020/1/1

朝、江ノ島へ向かう参拝客と一緒に電車に揺られて帰宅。ちょっと寝て、天王洲にあるOTTAVAでスタジオ生放送。8人のミュージシャンが入れ替わり立ち替わりスタジオライブ。番組ナビゲーターのゲレンさんから新年会というようなことも伺っていたので、手ぶらもなんだしシューマイ持って行ってみたら、見事なお重、お寿司、たくさんのお酒、手作りケーキと手作りおせち、おつまみ、お菓子、などなど、食べきれないほどのご馳走が。なんとありがたいことだろう。特におせちは今年はありつけないと思っていたので、ありがたく全種類しっかりといただいた。とっても美味しかった。ゲレンさんに放送中「エリさんの着てる赤のニットと顔が同じ色になっている」と言われたけど、そうかしら。

おいしいハイボールを作ってくださったのはこちらのスーパーギタリスト、マルセロ木村。

マルセロも大好きなのでお正月一緒にわいわいできてとても嬉しかった。スーパーギタリストって呼ぶと、「あ、俺ね、スーパーのギタリスト。ライフとかね。いらっしゃいませ〜!」とかなんとかくだらない話をあれこれキャハキャハと、生放送のパーソナリティとして一人働き続けるゲレンさんの後ろで、私たちは演奏が終わってはまた宴会に戻り、ゲレンさんもようやく放送が終わってみんなで乾杯をし、食べものも食べ尽くしてきた頃になって、田ノ岡さん、マルセロ、ファルコン、Pono Laniさんたちが楽しそうにセッション。私もつられて知らないうたまで歌ってみようとしたりして、宴会っていいね。石川優美&Pono Laniさんのハワイアンが素敵で心に残っている。マリリンの三線や笛の響きも。

みなさん知り合ってくださりありがとうございます。ゲレンさん、美しきゆりこさん、OTTAVAの皆さま、こんな席をご用意くださり本当にありがとうございました。おかげでとっても楽しいお正月になりました。今後ともどうぞよろしくお願いします。

 

2020/1/2

やっとこさ初詣へ。いつもお参りしてる近所のお稲荷さん。一時期お参りするたびにおみくじ引いていたので(同じおみくじ3回連続引いたのをきっかけにしばらくやめている)おみくじ引いた誰かが「三十四番」と番号を言うのを聞くと、あ、それ大吉、それも結構いいやつだよ、と心の中で即答している自分がいてびっくりした。ここのお稲荷さんがなんだか私は大好きで、ご近所さんたちも皆そう思っているのか、たくさんの人で賑わっていて嬉しくなる。小さな神社だけど、甘酒、お汁粉、焼きとうもろこしなどの屋台が出て、あゆの塩焼きや八戸せんべい汁とか少し珍しいものもあったけど、お守りに散財してしまったのでこちらは断念。母やおばやたくさんいる台湾の親戚にいろいろお守りが買えてよかった。

初詣から帰ってからは、家で思う存分ごろごろ。朝風呂、昼寝、ちょっと本読んで、またうとうとして、ごはんはちゃんと作って食べて、夜またお風呂に入って、そのまま早寝。

 

そんなわけで今日は超早起き。3年ぶりに台湾に帰ると思ったら3時に起きちゃった。そろそろスーパーも開店したので、みんなにお菓子とかちょっとお土産買いに行こう。ベランダから見える富士山が今日は一段ときれいに見える。真っ白。畑の横を自転車で家族たちが通り過ぎる。今日もぽかぽか。

 

新年早々長々書いちゃった。明日は台北の実家からブログ書けると思うと嬉しいな。

どうぞ本年も何卒よろしくお願いいたします。みなさんのおかげで年末年始もあたたかく過ごせて感謝しています。どうかよい一年になりますように。