冬生まれ

わかめスープやっと飲めて満足。おいしい。韓国へもいつか行ってみたいな。アメリカではチャイナタウンの次にコリアンタウンにお世話になったし、ソウルには大事な人だと思える友人がいる。

 

昨日はお昼の演奏だったので、終わったら早めに家に帰ってゆっくりしようと思っていたのが、数年ぶりにピアニストの太光くんとドラマーの匠平くんに思いがけず出会い、うれしくなって久々にセッションして楽しくなったあまり、終電に乗って不思議な駅で降りてしまった。降りたことない駅だったので商店街や住宅街の入り口をちょっと散歩して、まだ開いていたラーメン屋さんでほうれん草ラーメンを食べて、はじめてのひとカラ。「中央フリーウェイ」や「まちぶせ」を何度も歌って、始発に乗って、自宅近くの駅に着いてもまだ空は暗く、切った爪みたいな三日月が空の高い方で輝いていた。近所のお庭が暗い中ごそごそしていたのでたぬきかと思ったら、サーフボードを自転車に積み、海へ向かう準備をしている人だった。サーフィンはしたことないけど、サーファーの生態って動物のようで好きだ。

 

今日もよく晴れて、電車の中から外を眺めていると、どの街にも光があふれていて、どこにでも住んでみたくなる。午後高田馬場で打合せがあったので、お昼過ぎに家を出てぽかぽかの小田急線に乗った。藤沢駅からスイッチバックして西へ向かって走る間、江ノ島が見える南向きの席に必ず座る。高い建物が全くなくて、空が広く、海は見えないけど、この家々の向こう、空の下にはずーっと海が広がっていて、家も何もなくてただずーっと海があるだけなんだと想像しながら広い空を眺めていると、とっても気分がいい。少し走って線路が右に曲がり、電車が北へ走るようになると、私の体はそのまま西向きになって、湘南台へ行く途中、畑やビニールハウスが広がる向こうに真っ白い富士山が大きく現れるのを見る。大和のあたりまで、富士山は建物の間からずっとちょこちょこ見えていて、たぶん大山とか丹沢とかなのか、もっと手前にある山々も迫り来る山脈となって現れて、何度見ても「うわっ」と思う。私と向かい側の座席に座っている人たちは、自分たちの背後に富士山や他の山がいくつもそびえているのなどまるで無関係かのように、スマホを見たり、眠ったり、本を読んだりしていて、その雄大な山々と手元をちょこまかいじる人間の対比を見ているとなぜだか、「大丈夫」と励ましてるような、逆に励まされているような、循環する気持ちになってくる。都内まで移動時間が長いので、本当は電車の中でもっと読書したりしたいんだけど、いつもこの景色を見るのが楽しみで、持ってきた本もほとんど読まずに、町田あたりで人が混んでくるまでずっとぼーっと外を眺めて、立つ人が増えてきて窓が見えなくなると、今度は急に睡魔に襲われて、新宿までそのまま爆睡してしまう。

 

高田馬場では戸山口から降りて、グーグルマップに言われるままに、路地裏を歩いて早稲田通りに出た。お豆腐屋さんや焼魚の店など古い飲食店に混ざって、いろんな国のいろんな食べ物のお店があり、うらやましくなる。歩きながら「あーいい匂い」と思わず口にしてしまって、キョロキョロすると麻辣湯のお店の裏口が見えて、私はやっぱりスープが好きなんだな。

 

冬は好きじゃないと思ってたけど、光があふれていたり、スープがおいしかったり、山がきれいだったり、結構好きなのかもしれないと最近気付いた。冬生まれだし。